信号電材株式会社

信頼に基づいた二人三脚「DXツール制作の計画立案から導入までの道のり」

信号電材株式会社 技術部 部長
松尾 友裕

日本全国の信号機の半数以上を生産、販売する信号電材株式会社では、SCMのDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。業界において後発の立場であることから、大手が対応できないような個々の顧客の要望に対応することで、シェアを伸ばしてきました。

個々の顧客要望に対応した個別受注対応はシェア獲得に有効でしたが、シェアが大きくなった現在では、毎年膨大なカスタム製品が生まれ、製品情報(図面や部品表など)の管理が大きな業務負担となるように。
その結果、情報活用の肝である完全性と可用性が確保できないことで、受注すればするほど増える情報により労働生産性が低下する問題を抱えていました。

アルサーガパートナーズはそんな信号電材株式会社のDXパートナーとして、2022年10月からDX計画策定やシステム開発などの面で伴走させていただいております。

今回は、DXツール制作の計画から現在までの道のりを振り返り、弊社メンバーとの対談形式でお話を伺いました。

今のDXプロジェクトの概要について教えてください

「多すぎる」データを逆手に活用

信号電材 松尾様:
「過去の数年分の製品が特定できるマスターデータを作って、効率的に管理しよう」ということで、製品カタログ形式のアプリケーションの導入を考えるところから始めました。

弊社では過去に設計した図面を転用することが多いのですが、それらのデータは案件が増えるのに伴い積み重なっていく状態なので、見つけるのに時間がかかるんですよ。多すぎて。
案件数が年間に数千件あるんです。

アルサーガパートナーズ 山口:
案件だけで!?

信号電材 松尾様:
案件だけで。

当然、一つの案件で部品が複数あるわけです。なので、過去3年分だけで製品数が数万あります。
この中から、いかに的確な製品データを見つけるかが非常に大切です。今まで、これにとても時間がかかっていました。
他の人がすでに設計していたものと重複していたりとか、類似データを探すのに時間がかかり過ぎて、結局最初から設計し直したりとか……。

かなり業務を圧迫していたので「いっそのこと全部登録して見つけやすいようにしよう」という話になって。
製品データの一元化による業務効率化は想定していたものですが、実際に管理アプリケーションを導入してみると他の活用方法もはっきり見えるようになりましたね。

例えば、製品ごとの仕様情報が一目で確認できるようになったので、各仕様の深掘りが容易になりました。これらのデータは、より良い製品作りやニーズの抽出に役立っています。

パートナーとしてアルサーガパートナーズを選んだ理由、または開発を進めながら「やっぱり選んで良かったな」と思った点を教えてください

課題の本質を捉えた提案と、その実現

信号電材 松尾様:
(アルサーガパートナーズは)本当に伴走してくれてるような感覚なんです。

例えば、システム自体を運用するためのサーバーに「こういうのがありますよ」といわれても、実際はそのサーバーだけの契約では済まなくて、サーバーの運用契約が必要じゃないですか。
ほとんどの会社から「商売」って感じがありありと伝わってくる。「これを導入したら、この会社から逃れられない」みたいな感じのもの。

アルサーガパートナーズ 山口:
「これがないとどうしようもない」みたいな売り込みがあるわけですね。

信号電材 松尾様:
そういう会社が多いんですけど、アルサーガパートナーズには全然感じません。本当に。
不要だったら「不要です」とはっきりいってくれる。本当に必要なものとそうじゃないものを、きちんと分けて提案してくれる。
だから伴走している感覚で話ができるし、議論ができる。ここが、1番アルサーガパートナーズを「選んで良かった」と感じる部分です。

アルサーガパートナーズ 月野:
システムを開発する側と導入する側は、本来対等な関係であるべきなんですよね。特に、規模の大きなシステムほど。
(規模の大きなシステムほど)互いに整理したデータや仕様を突き詰めることが重要なのに、多くのシステム会社が実践できていない。

信号電材 松尾様:
実際、私が出会ったところも実践できていない会社さんが多かったです。アルサーガパートナーズはそこが違う。そこが本当にやりやすいし、信用して話ができます。

運用を開始されてから半年、社員さんたちからはどのような声が上がっていますか?

パートナーの要望を受けた上での
誠実な対応

信号電材 松尾様:
最初は「(マスターデータ作成について)本気ですか?」というような声が社内でありました。
でも、一定の形(使えない情報が使える情報になったこと)ができた時点で自分たちの製品と現状にもっと目が届くようになった。これが一番大きいです。
そこで「これはたしかに必要ですね」って声に変わるようになりました。

アルサーガパートナーズ山口:
最初に小さいゴールが見えたことで社員さんのモチベーション向上につながった、と。

信号電材 松尾様:
私もそこは話をしていたんですよね、お二人(月野・大林)に。

完成させるにはデータをもっと入れないといけない。でも、小さい成功を見せながらやらないと社内での理解が得られないし、メンバーの気持ちも保たない。
「とにかく、具体的な成果を示しながら進めたい」という相談をずっとお二人にしていました。

こういったうちの要望に合わせて提案してもらえるので、とても助かりました。最終ゴールまで最短で行くっていうよりは、ちゃんとこう、道中の中間ゴールまで辿り着ける方法という形で。一つ一つ丁寧に提案してもらっているので、本当にそこがうちとしてはすごくやりやすい。

最後に、アルサーガに対して今後も期待しているところがあれば、伺いたいです

“走り方”も提示する伴走型支援

信号電材 松尾様:
こちらが手探りな状態でも、そこから一緒に伴走してくれるところですね。他にそういう会社さんはないので。

この仕組みをはっきりと形にすることができたら、うちだけではなく、他の会社への活用を目指してもらえたらと思ってます。

私からすると、システムはあくまでも組織を変えるための道具なので、システムを作ること自体は目的ではないんです。
なので「いいシステムを納品してください」という感覚はありません。実際「システムを導入しなくても、これをすれば解決しますよ」とか、それ以外の方法があれば、私はそれでいいと思ってます。
普通のシステム会社はなんとかして自社の売り上げにつなげたいから、システムで解決することを前提に売り込んでくるんですけど。

……で、アルサーガさんは実際提案してくれるんですよね。「それがやりたいんだったら、こっちのやり方がいいですよ」という形で提案いただける。
こちらの会社をよくするために一緒に考えてくれることを、今後とも期待しています。

━━━━━ありがとうございました。