5年・10年先のウェブサイトはどうなってるんだろう。

どうも、令和の時代に昭和のカメラやレンズばっかり増える昭和生まれです。

3年ほど前に半世紀ほど前のレンズを1本買ってから古いカメラとレンズにハマってしまっています。
どれも数百円〜数千円程度で買い集めていますが、現在の製品に比べると逆光に弱かったり、ピントを自分で合わせないといけないなど面倒な事はありますが、良い製品は手に持って使っているうちに楽しくなります。

会社のミーティングスペースに何台か並べていますので、興味があれば自由に手にとってもらえると嬉しいなと思っています。

さて、3年ほど前に ウェブは5年ひと昔ではなく5年ひと時代みたいです。 というブログを書きました。

その当時は西洋建築史的に例えると「シンプルさにあきてルールを壊し、複雑化してくるバロック建築時代」の初め頃でしたが、あれから3年経過して「古典的なデザインを再評価し始めてレトロが好まれる新古典主義建築時代」がちょっとだけ見え来たかなと思うのでブログに書いてみます。

Flashが無いのが当たり前の時代

以前はFlashやJavaScriptでしかできなかったアニメーション処理もCSSだけで実現できるようになり始めていますし、SVGやWebフォントなども普及し始めています。

出典:ウェブのバロック建築時代(2016〜2020年頃)

フロンティアビジョンでもSVGや、Webフォントは本当に当たり前になりました。
おかげでブラウザによってフォントが違う事が無くなったは制作サイドして嬉しいところですが、デザインの要所では商業印刷レベルの文字組みに近い調整をデザイナーとコーダーで進めることも出てきています。

Chrome(バージョン 76 以降)、Microsoft Edge、FireFox 69 では、Flash がデフォルトで無効になっています。そして、Google 検索のインデックス登録でも、Flash が除外されることとなりました。

出典:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA]: さようなら、Flash

Googleの公式ブログでもタイムリーに話が出ていましたね。

現在のFlashは終了直前で、未だにFlashを使っていらっしゃるサイトには早くリニューアルのご提案をしないといけないなと社内でも定期的に話しています。

Flash全盛期の頃からすでに10年以上経過しているので、単純にFlashを別の技術に置き換えるのではなく、Flash入りのサイト制作時には無かったスマートフォンなどへの対応や、掲載すべき内容や優先度の再検討なども重要です。

混沌とするアスペクト比(縦横比)の中に慣れてきた

日常生活の中で大きく変わったなと思うのが「一般の方が撮る動画の多くが縦長になった」事と、それを「TVニュースで見ても違和感が少ない」事です。

アクセス解析ツール「StatCounter」では2009年以降のウェブの様々なデータを提供していますが、その中で「日本のネット端末における画面解像度の推移」を見てみます。

参考: StatCounter Global Stats – Screen Resolution Market Share

Flash全盛期の頃は表示するモニターのアスペクト比(縦横比)は大体テレビと同じ4:3に近いため全画面表示させた時の差はあまりありませんでした。
そのため完成形を1枚の画像としてベースデザインをしやすく、他業種で経験のあるデザイナーにも参入しやすかったと思います。

現在はハイビジョン化にともなって4:3から16:9への基準の変化、更にはそれを縦にしたスマートフォンのアスペクト比(縦横比)を想定したレスポンシブデザインが求められます。
例えば下にある画像にそれぞれのフレームを書いてみました。

実際にカメラで撮った写真を素材として使う想定の場合、元画像が3:2、青が旧サイズの4:3、緑がハイビジョンサイズの16:9、赤がスマホサイズの9:16となります。

見える範囲が大きく異なり、レスポンシブの場合はシームレスに変化していくので、どの端末でも違和感なく意図を伝えるのは簡単ではありません。
これにロゴマークやメインコピーなどの要素が重なってくるので、その調整が大変だと分かっていたけると嬉しいです。

ちなみにフロンティアビジョンではPC用のデザインをデザイナーが作成し、スマートフォン用の表示はコーダー主体で進め、デザイナーが微調整の指示を出しながら協力して完成させるスタイルで進めています。

制作サイト毎に毎回チームを編成し直すので全体の技術レベル向上に役立っているのではないかと思います。

新しく芽を出してきた種「5G」

3年前には重要視していなかったキーワードとして次世代モバイル通信規格「5G」があります。

2020年の正式サービス開始に向けて色々と動きが出てきていますが、4Gから5Gに変わって「通信が高速化して高画質な動画が一瞬でダウンロード出来ます」とニュースなどで言われていますが、何となく良く分からないと言うのが多くの人の感想だと思います。

ちなみに大企業のPCの世界ではシンクライアント環境という考え方があります。
簡単に言うとネットワーク上の高性能なサーバーに処理の多くをさせて、各PCはデータの入力と表示程度の簡単な処理だけを済ませるやり方です。

「5G」が普及した未来の姿ではこの「重たい処理はネットワークを通じて高性能サーバーで」という仕組みがモバイル化して来るはずです。
そうなった時には今のスマートフォンの形も変わり、メガネサイズのディスプレイを付けてAIとの音声入力での対話形式になるかもしれないし、マウス操作の代わりに視線を感知したり、「位置情報」「外部カメラ」「気圧」「加速度」「心拍数」などの情報も扱えるようになるかもしれません。

アニメの妖精キャラの様なパーソナルドローンが人間の周りに飛んでいる時代も来るかもしれません。

ウェブデザインも3次元で考える時代が来るのかなぁ…

未来のネット社会で企業ホームページが残るために

「情報の価値を上げる努力を続ける」この一点だと思います。

今はアメリカ大統領をはじめ政治家・著名人・有名人などが個人としてSNSを開設し、多くの人がフォローしています。
これは「一次情報」として発信者の「信頼性」があり、メディアを挟まないために「情報の速度」が速いためだと感じています。

そして企業名やサービス名と似た分かりやすい独自ドメインを取得して、当たり前の情報を定期的に発信しておくことで「生きている情報である」信頼性を育てることがいつの時代も大切じゃないでしょうか。